剣道とは何か?押さえておきたい3つのポイント

剣道とは何か?と聞かれると、「竹刀を持ち、防具をつけて稽古や試合をする」「居合や剣道形を演舞する」と答える人が多いのではないでしょうか。勿論、それも正解です。

しかし、それだけでは剣道を説明するには不十分です。昭和50年に全日本剣道連盟(以下全剣連)が「剣道の理念」をこのように定義しています。

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「剣道は剣の理法の修練による人間形成の道である」

なるほど!!で、結局どういう意味だろう?と疑問に思いますよね。私も初めて聞いたときはよくわかりませんでした。ここでは、剣道とは何か?について剣道の理念を紐解きながら章を追って説明していきたいと思います。

剣の歴史

「剣道の理念」を知る上で重要である、現代の剣道に至るまでの「剣」の歴史を簡単に説明します。

太古に作られた青銅の剣は、その国家の文明・権力の象徴でありました。鉄の文化が起こり、剣は鋼の太刀と刀という武器に変わっていきます。

平安時代末より、刀を持つ武士が台頭していきます。刀の扱いが巧ければ、自分は殺されず人を殺すこともできます。自分を守る刀が命の次に大切なものと思われるようになり、刀に魂が入り、精神性を帯びるようになりました。一方、鎌倉時代には禅宗が伝わり、武士の心に移入され武士はこうあるべきという規範も定まります。

室町時代末、戦乱の中で殺し方の工夫がなされ、その中で殺し合いの強い者が生まれました。その教えを乞う者が現れ、技が伝授され、流派が形成されていきます。

江戸時代に遷り、細々と個の戦いは続きます。剣術の修養も各流派により行われます。そして300年前に防具・竹刀が発明され、競技としての剣術が始まりました。

明治維新により廃藩・廃刀になり武士は消えましたが、その精神性「武士道」実技として「竹刀剣術」として残り、それら二つを集約して「剣道」という言葉を発明し、今に受け継がれていきます。

太平洋戦争後、「剣道」は禁止されてしまいますが、日本の独立に合わせて「剣道」はスポーツ性が強調された「競技剣道」として復活しました。当然、剣道を愛する者たちは本来の剣道に戻すべく行動が開始されました。全剣連は「剣道の理念」を制定して「剣道のあるべき姿」を明確にし、日本ばかりではなく、世界に、指導・普及に努めています。

剣の理法

剣の歴史から「剣道」が生まれるまでは刀による殺戮の歴史でした。剣道ではその「殺人刀」を、己を鍛え、他人を生かす「活人剣」として生まれ変わらせたのです。竹刀を持ち、自分が必死に鍛え上げた気剣体を一致させた見事な一本を打つ修練を積み、打たれた者は己の未熟さを知り、さらに修業を積むのです。

剣の歴史を踏まえると、竹刀は刀として精神性をもって扱い、鎬(しのぎ)や刃や切先を意識して斬る必要があります。

剣の理法の修練とは、心身を鍛え、竹刀を刀としての機能を十分に発揮させて、気剣体の一致した見事な一本を打つための修行と考えられます。そのためには剣道形の稽古や古流の方も同時に学び、その刃筋や理合を学ぶことも重要となります。

人間形成の道

修錬するとは、その相手と稽古の中でお互いに修行し合うという事です。相手は子供から大人まで、それぞれが違う段位であっても、剣技を通じて会話を持つ事ができます。相手は様々な社会で生きています。その方たちの話を聞き、自分の世界を広める事は「人間形成の道」となるでしょう。

「剣道」において、竹刀で人を斬るという行為は暴力的で、「人間形成の道」においても否定的なのではないかと感じられます。そのマイナスを補うものが「武士道の精神」です。

「武士道の精神」とは、体系化された思想のため定義がなく人により解釈が変わります。「武士道の精神」として、知性、教養、徳性、礼、恕(許す)、情、義、などがあげられています。これらを持つことで、痛く辛い稽古に逃げることなく励み、打たれても自然と「ありがとうございました」という気持ちを持つ事ができるのです。

「剣道」を教えるという事は、その「武士道の精神」も共に教えていくことになります。教えの中で自己が教わる事も多く、まさに学びの連続といえるでしょう。このような修行の中からその人の剣道に知性や教養、気高しさが感じられてくるのです。「剣道」の修行に終わりはありません。

まとめ

このように剣道とは、心身を鍛え竹刀を刀としての機能を十分に発揮させて気剣体の一致した見事な一本を打つ事、相手と稽古の中でお互い修行し合いその方たちの会話を聞き自分の世界を広げる事、また「武士道の精神」により辛い稽古に逃げることなく励み打たれても「ありがとうございました」という気持ちを持つ事が大切であり、それが「人間形成の道」に繋がっていくといえるでしょう。

私は剣道について調べたり先生方のお話を聞いたりすることで理解が深まり、剣道の真の楽しさを30代にしてやっと感じとる事ができるようになってきました。剣道の教えは仕事やプライベートなど私生活においてもよい効果が表れています。

外界との関係性が薄れてきている現代社会だからこそ、「人間形成の道」である剣道を皆に勧めていきたいですし、大人の方にこそ始めてほしいと考えております。